PCゲームを始めよう!ゲーミングPCの選び方とスペック表の見方【ゲーム女子必読】
近年ゲームをプレイする女性が増えているのをご存知でしょうか?女優・モデルの本田翼さんや波瑠さん、桐谷美玲さんなど、女性芸能人も趣味でゲームをやっていると公言していたり、YouTubeでゲーム配信している方もいるほど。
Googleの発表によると、ゲーム市場はアジアで急成長しており、さらに男性ゲーマーよりも女性ゲーマーのほうが増加率が高い結果となっています。
出典:Think with Google「世界で最も女性ゲーマーが増えているアジアで、ユーザーに楽しんでプレイしてもらうために重要なこと」
これまでゲームというと男性がするイメージが強かったですが、ゲーム実況も流行し、これまでゲームになじみのなかった女性もゲームを目にする機会が増え、ゲーム実況をきっかけに始めたという女性も少なくありません。
特に直近ではコロナの影響で、リモート化も進み、YouTubeで芸能人発信でゲームを目にする機会を得た女性や、自宅でできる趣味を探す女性も出てきて、今後もさらにゲーム女子が増えていくことでしょう。
この記事では、PCゲームをやってみたいけど、何を買えばいいのかわからない、という女性に向けて、ゲーミングPCの選び方とゲームプライに役立つ製品の選び方をご説明します。ぜひこれを機に気になっているという女性も検討してみてはいかがでしょうか?
PCゲームを始めるにあたって必要なもの
PCでゲームを始めるにあたり「ゲーミングPC」という専用のPCが必要になります。ゲーミングPCとは、本格的な3Dグラフィックの再生できる高性能なグラフィックボードや、高速処理が行えるCPUなど、通常のPCにはないゲーム用の高性能を備えたPCのことを言います。一般的なPCはおおよそ5万円前後に対して、ゲーミングPCはライトゲーマー向けで10万円ほどとやや高額です。
ゲームによって必要とするスペックが低いものから高いものまで、さまざまあります。ここではゲーミングPCを選ぶ際に押さえるべきスペックと、ゲーム製品ページに掲載されいてるスペック表の見方をお伝えし、ゲーミングPCの選び方をご説明します。
普通のPCで遊べるゲームもあります
ほとんどのゲームは通常のPCではなくゲーミングPCでないと起動できませんが、中には通常のPCで遊べるものもあります。調べ方は、スペック表のGPU(グラフィックボード/ビデオカード)を採番で検索をかけることです。もしオンボードであれば不要になります。
ゲーミングPCの選び方
ゲーミングPCを選ぶ際の注目点は大きく分けて「CPU」「グラフィックボード」「RAM」の3つに分けられます。いずれもゲームの動作処理に欠かせないポイントになり、「CPU」や「RAM」はゲーム全般の処理、「グラフィックボード」は映像処理で必要とする要素です。
CPU
「CPU」とは、Central Processing Unitの略。ハードウェアやソフトウェアから受け取ったデータの計算処理や制御を行う、いわば「脳」にあたる部分です。CPUが高いことで、フレームレートが上がったり、ゲームがカクつかず、スムーズに処理されます。
現在CPUはIntel社とAMD社にて売り出されており、日本ではIntel社から出ているCPUがメジャーです。どちらのCPUを購入するかによって、グラボ自体も同じ会社のものでそろえる必要があるのでご注意ください。
日本ではIntel社がメジャーとお伝えしたように、各メーカーが販売しているBTOゲーミングPCの多くがIntel社のもので、メーカーによってはAMD社の製品がないケースもあるほどなので、自作を行わない場合、Intel社で購入することをおすすめします。
Intel社から出ているCPUシリーズで、主流なものは「Core-9」「Core-i7」「Core-i5」「Core-i3」の4種類です(2021年3月時点)。数字が大きくなるほど、CPUを動かすコア数(スレッド数)が増える傾向にありますが、そのあとに続く型番によっては、性能目安が逆転する場合もあるので要注意です。またゲームの製品ページによっては、「Core-i7」や世代名で記載されている場合があるので、わかりにくい場合があります。表にまとめているので参照ください。
と、ここまでご紹介してきましたが、PCを選ぶ際は、次でご説明する「グラフィックボード」が一番重要部分なので、CPUは参照程度で問題ありません。
理由として、ゲーム側が指定するスペックを満たすグラボを選んだ場合、基本的にCPUも問題ない場合がほとんどなこと、ゲームによってはCPUのブランド名のみ記載されていて、細かいスペックを記載していない場合もあるためです。
以下はIntel社から出ているCPUです。
世代番号 | 世代名 | 番台 | 代表作 |
---|---|---|---|
第1世代 | Nehalem | 3桁番台 | Core i7 875K Core i5 760 Core i3 560 |
第1世代 | Sandy Bridge | 2000番台 | Core i7 2700K Core i5 2500K Core i3-2130 |
第2世代 | Ivy Bridge | 3000番台 | Core i7 3770K Core i5 3570K Core i3-3250 |
第3世代 | Haswell | 4000番台 | Core i7-4770K Core i5-4670K Core i3-4340 |
第4世代 | Haswell Refresh | 4000番台 | Core i7 4790K Core i5 4690K Core i3-4370 |
第5世代 | Broadwell | 5000番台 | Core i7-5775C Core i5-5675C |
第6世代 | Skylake | 6000番台 | Core i7 6700K Core i5 6500 Core i3 6100 |
第7世代 | Kaby Lake | 7000番台 | Core i7 7700K Core i5 7500 Core i3 7350K |
第8世代 | Coffee Lake-s | 8000番台 | Core i7 8700K Core i5 8400 Core i3 8100 |
第9世代 | Coffee Lake Refresh-S | 9000番台 | Core i9 9900K Core i7 9700K Core i5 9400F |
第10世代 | Comet Lake-S | 10000番台 | Core i9 10900K Core i7 10700K Core i5 10400F |
第11世代 | Rocket Lake-S | 11000番台以降 | Core i9-11900K Core i7-11700K Core i5-11600K |
ハードウェアとは?
キーボードやマウス、ディスプレイなどのデバイスを示します
ソフトウェアとは?
PCを動かすプログラムを示し、ハードウェアの制御・操作に関わり、アプリケーションが動作するベースとなるオペレーティングシステム(OS)と、エクセルやパワーポイントといったユーザが直接利用するアプリケーションソフトの2種類あります。
グラフィックボード
ここでゲーミングPCの購入時、抑えるべきポイントのひとつは「グラフィック」です。
「グラフィックボード(グラボ)」とは、「ビデオカード」「GPU」とも呼ばれ、映像を流すために必要な部品です。スペックが良いほど、表示周波数や発色数、描画速度などが向上し、より鮮やかな映像を滑らかに再生することができるようになります。FPSのような反射神経を要するゲームではスペックが良いほど有利になるため、ハイスペックなグラボを使用している人も少なくありません。ゲームを動作させるうえで要となる要素であるとともに、グラボを動かすだけのスペックを要するため、基本的にCPUやRAMもクリアしている場合が多いです。
以下はグラボのシリーズ表です。基本的に現在メジャーなゲーミングPCはミドルクラス以上のものになり、表で見るとなかでも「番号」記載の1600番台以上がメーカーからメインで売り出されている傾向にあります。(2021年3月時点)
費用に余裕がある場合、このあたりのグラボが搭載されたPCを購入すれば、たいていのゲームは問題なくプレイできます。
シリーズ名 | 番号 | CPU名称 | クラス |
---|---|---|---|
GeForce RTX 30シリーズ | 3000番台 | RTX 3090 | ハイクラス |
GeForce RTX 30シリーズ | 3000番台 | RTX 3080 | ハイクラス |
GeForce RTX 30シリーズ | 3000番台 | RTX 3070 | ハイクラス |
GeForce RTX 30シリーズ | 3000番台 | RTX 3060シリーズ | ハイクラス |
GeForce RTX 20シリーズ | 2000番台 | RTX 2080シリーズ | ハイクラス |
GeForce RTX 20シリーズ | 2000番台 | RTX 2070シリーズ | ミドルクラス |
GeForce RTX 20シリーズ | 2000番台 | RTX 2060シリーズ | ミドルクラス |
GeForce RTX 16シリーズ | 1600番台 | GTX 1660シリーズ | ミドルクラス |
GeForce RTX 16シリーズ | 1600番台 | GTX 1650シリーズ | ミドルクラス |
GeForce RTX 10シリーズ | 1000番台 | GTX 1080シリーズ | ミドルクラス |
GeForce RTX 10シリーズ | 1000番台 | GTX 1070シリーズ | ミドルクラス |
GeForce RTX 10シリーズ | 1000番台 | GTX 1060シリーズ | ミドルクラス |
GeForce RTX 10シリーズ | 1000番台 | GTX 1050シリーズ | ロークラス |
GeForce GTX 900シリーズ | 900番台 | GTX 980シリーズ | ロークラス |
GeForce GTX 900シリーズ | 900番台 | GTX 970シリーズ | ロークラス |
GeForce GTX 900シリーズ | 900番台 | GTX 960シリーズ | ロークラス |
GeForce GT シリーズ | 1000番台 | GT 1030 | ロークラス |
RAM
「RAM」とは、「メモリーカード」とも呼ばれ、CPUが処理を行う際の作業領域です。容量が大きいほど作業領域が増えるので、複数アプリケーションを実行したり、負荷のかかる処理が実行可能になります。逆に実行したい処理に対して、プレイ中のゲームでRAMが不足した場合、突然ゲームが落ちてしまうといった場合があるので、ギリギリではなく余裕を持つことをおすすめします。例えば、6GB以下のタイトルであれば8GB、8GB推奨であれば16GBといった形です。現在は8GB推奨のタイトルが主流となりつつあるので、16GB以上がおすすめします。
その他
ダウンロードが必要なゲームをプレイする場合、データを保存する領域が必要です。この保存領域は内蔵ストレージと呼ばれ、「HDD」と「SSD」が挙げられます。どちらもインターネット上の画像を保存したり、ゲームをダウンロードした際の記録媒体として使用されます。
HDDとは、Hard Disk Driveの略で、以前主流だった記録媒体です。プラッタと呼ばれる内蔵された磁気ディスクに、磁気ヘッドを介してデータを読み書きします。一方、SSDとは、「Solid State Drive」の略で、内蔵されたメモリチップにデータを読み書きします。
最近はSSDが主流になりつつあり、SSDとHDDの両方が搭載されたPCが増えつつあります。HDDに比べ、容量も少なめでしたが、最近では1TBを超える製品も出てきています。容量が少なめだった以前は、HDDのほうが寿命が長いといわれていましたが、SSDは容量が大きいほど寿命が延びていくため、今ではSSDのほうが長いといわれるようになってきています。
PCを選ぶ際はどちらでも問題ありませんが、より良いプレイ環境を作りたい場合は、SSDを選ぶと良いでしょう。SSDとHDDの両方が搭載されたPCの場合はSSDを多めにカスタマイズ注文するのも手ですよ。
なお、SSDでもHDDでも最低1TBは容量確保することをおすすめします。もしも今後ほかのゲームをやる予定であれば、もう少し余裕を見て2TBにすると良いでしょう。
比較内容 | HDD | SSD |
---|---|---|
価格 | 安い | 高い |
容量 | 多い | 少ない |
処理速度 | 遅い | 速い |
駆動音 | 発生する場合がある | 発生しにくい |
消費電力 | 多い | 少ない |
耐衝撃 | 弱い | 強い |
重量 | 重い | 軽い |
寿命※ | 短い | 長い |
※SSDは容量が大きくなるほど寿命が延びやすいことから、最近はHDDのほうが寿命は短くなりつつあります
スペック表の見方
ゲームの製品ページを確認すると「必要動作環境」「推奨動作環境」の2種類が記載されているのがほとんど。簡潔に書くと下記のような違いがあります。
- 必要動作環境 … ゲームが最低限起動できるスペック
- 推奨動作環境 … ゲームが快適に動作するスペック
必要動作環境は記載した通り、あくまで「ゲームが最低限起動できるスペック」なので、推奨動作環境を満たすスペックのPCを購入することをおすすめします。
また、余裕を見るなら現在流通している新品でミドルクラス以上のPCを購入するのがベストです。基本的にゲーム指定の必要・推奨動作環境は少し前のスペックなので、今現在流通しているミドルクラス以上のゲーミングPCを購入しておけば、基本的にどのゲームも満足にプレイできると考えてよいでしょう。
ただ、コストを抑えたい場合は、必要動作環境に揃えるのも手です。
筆者の体験談を交えたおすすめ
筆者は過去に、必要動作環境ぴったりのグラボでプレイ中にクラッシュが頻発し、推奨環境を満たすグラボを改めて購入して問題解消した経緯があるため、「推奨動作環境」以上のPCを購入することをおすすめします。
次に具体的なスペック表の見方をご説明します。
2020年に発売された「原神」という基本無料でプレイできるオープンワールドアクションRPGをもとにスペック表を見ていきます。まず、対応可能デバイスはいわゆる「必要動作環境」、推奨デバイスは「推奨動作環境」にあたります。
各性能 | 対応可能デバイス | 推奨デバイス |
---|---|---|
システム | Windows 7 SP1 64-bit、あるいはWindows 8.1 64-bit、 またはWindows 10 64-bit | Windows 7 SP1 64-bit、あるいはWindows 8.1 64-bit、 またはWindows 10 64-bit |
CPU | Intel Core i5(第4世代以上)と同じ性能を持つもの | Intel Core i7(第4世代以上)及びより優れた性能をもつもの |
RAM | 8GB | 16GB |
ビデオカード | NVIDIA® GeForce® GT 1030 | NVIDIA GeForce GTX 1060 6GB及びより優れた性能をもつもの |
DirectX | 11 | 11 |
ストレージ | 30GB以上の空き容量を要する | 30GB以上の空き容量を要する |
対応可能デバイス(必要動作環境)で見た場合
「GeForce® GT 1030」と書かれています。まず、型番の見方ですが、以下のような構成となっています。
ブランド名 シリーズ内のグレード 世代 世代内の性能
GeForce + GT + 10 + 30
指定されている「GeForce® GT 1030」以上のスペックのグラボを探す場合、GTシリーズ内で見る場合は、1030より高い数値のものをシリーズ外で見るならGTX以上が対象になります。
以上を踏まえドスパラにて発表されている性能目安に基づき、クラスを割り振ってみました。GT 1030はロークラスにあたります。といってもロークラスの中でダントツにスペックが低く、性能目安では同じロークラスのGTX960と比較してもさらに下回ります。したがって、この図で見るならGTX960以上のグラボ搭載されたPCを購入すればよいということになります。
推奨スペック(推奨動作環境)で見た場合
ビデオカードの欄に「NVIDIA GeForce GTX 1060 6GB」と書かれていますね。こちらはミドルクラスにあたります。ミドルクラスは各世代に存在します。この時、どの世代の何番台を買えばよいのか迷ってしまうと思いますが、GTX1060であれば、GTX1060Ti以上で購入すれば問題ないでしょう。
GTX1080クラスになってくるとGTX16シリーズ以上でも下回るケースが出てきます。この場合、詳細はドスパラをはじめとした性能目安情報を参照したり、メーカーに問い合わせることをおすすめします。
簡単に探したい場合
メーカー(G-TUNE、ドスパラ、G-GEAR参照)では「ライトゲーマー向け」「ミドルゲーマー向け」「ヘビーゲーマー向け」もしくは「ライトゲーマー向け」「ヘビーゲーマー向け」といった区分に分けて紹介している場合が多いので、この区分から探すことです。
原神の場合、推奨スペックでもミドルクラスのグラボなので、ライトもしくはミドル向けからみていくと良いでしょう。2021年2月時点の市場は、ライトクラスでもGeForce GTX 16シリーズが主流なので、GTX1060ほどであれば事足ります。
豆知識
グラフィックボードは、ディスプレイに映像を表示する役割を果たすため、ゲーミングPCだけでなく、通常のPCにも実はついています。オンボードグラフィックと呼ばれ、あくまでディスプレイ映像を映す必要最低限のスペックのため、高性能を求めるゲームには対応していません。通常PCにはこのオンボードグラフィックが、ゲーミングPCにはオンボードグラフィック+グラフィックボートが搭載されています。
スペックをチェックしてゲーミングPCを購入しよう!
以上がゲーミングPCを購入する際の確認方法でした。いかがだったでしょうか?
最初は知らない言葉が多く、プレイ可能なPCスペックを確認するのに苦戦するかもしれません。しかし知識が増え、理解できるようになると、どのゲームをプレイするにもスペック表をパッと見て判断できるようになってくるので、根気よくチェックしてみてくださいね。
この記事がゲーミングPCを購入する際の参照となれたら幸いです。快適なゲームライフを過ごしてくださいね。
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