保護猫活動とは?シェルターや飼いたい場合の譲渡会について

保護猫活動とは?シェルターや飼いたい場合の譲渡会について
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だいぶ数は減りましたが、近所で散歩をしているときに、野良猫を見かけることがあります。

日向ぼっこをしている猫の姿は、猫好きにとって心が和む瞬間ですよね。

特に猫が好きだけどマンション事情や何かしら他の事情で飼えない方は、野良猫に出合うと触りたくてウズウズしてしまうもの。

つい猫の可愛いさに負けて、ゴハンやオヤツをあげた経験なんてありませんか?

さらに、猫好きとしての触りたい欲求だけではとどまらず、保護したいと考える人も少なくないようです。

もちろん、ケガをしてしまっているなど、保護せざるを得ない場合もありますが、野良猫を保護する際に、どんなことに注意するべきなのでしょうか。

家族として迎え入れる前に知っておきたいこと、保護するときのポイントなどをまとめました。

野良猫を保護しても平気?

野良猫を保護しても平気なのか?

野良猫はその地域に住みついているだけなので、触ってはいけないなどの明確な決まりはありません。

ですが最近では、地域で保護している”地域猫”とも呼ばれる猫も増えてきています。

そういった猫に勝手に食べ物を与えると、地域の方に嫌がられるなど、独自ルールなどが存在する場合もあるので、注意が必要かもしれません。

また、野良猫は予防接種などを受けていないことが多かったり、衛生的に良くない場所で生活をしています。

そのため細菌やダニ、寄生虫に感染していたりする場合もあり、特に自宅で他の動物を飼っている方は、触りたい気持ちを抑えてグッと我慢することも必要でしょう。

そして、もし野良猫を保護するなら、あなたが保護しようとしている猫が飼い猫である可能性を最初に考えましょう。

「この子は本当に野良猫なのか?」と探している飼い主がいないのか、まずは確認するべきです。

警察署や保健所に届け出が出ていないか、SNSで呼びかけするなど、可能な限り確認してみましょう。

子猫の場合は、迷い猫の可能性もありますので、親猫が探していないか様子を見る必要があります。

ケガをしているようであれば、動物病院に連れていくの最善。そして、ケガや病気をしていなくても家に入れる前に動物病院に連れて行き、健康状態を診てもらい獣医師からアドバイスをもらうといいです。

どんな状況で過ごしてきたのか、おおよその年齢や食欲はあるのかなど教えてもらえることがあります。

そして何よりも、一時的な感情で保護をしてはいけません。猫の命を預かるというのはお金もかかりますし、猫に費やす時間もかかることでしょう。

飼い主に捨てられてしまったなど、悲しい思いをした猫があなたとこれから暮らすことで、幸せにならなければいけません。

間違っても「こんなはずじゃなかった」「大変だから」「面倒だから」といって、途中で飼育を放棄してはダメです。

責任のある行動が取れるかをしっかりと考えてから、覚悟をもって保護するかを検討してみてはいかがでしょうか。

そもそも保護猫ってどんな猫のこと?

そもそも保護猫とは?

動物の殺処分の話題はニュースで大きく取り上げられたこともあり、「保護猫」について耳にしたことがあるかもしれません。

保護猫とは文字通り、飼い主のいない野良猫(迷子になってしまったり、飼い主に捨てられたなど)が保健所や動物愛護センターに持ち込まれた猫のことをいいます。

何らかの事情があるにせよ、何の罪もない猫たちが飼い主の飼育放棄や、多頭飼育の崩壊などのせいで、止むを得ない事情を抱えた猫が数多く保護されています。

ですが、保健所などの保護施設にも受け入れの限界などがあり、一定期間の間に引き取り手となる「里親」が見つからなければ、殺処分されてしまいます。

最近では自治体が「殺処分ゼロ」に取り組んでいるおかげもあり、全国的に殺処分は大幅に減少していますが、「これ以上、野良猫を増やさない」という根本的な改善が必要ではないかと思います。

TNR活動(さくらねこ活動)とは

野良猫を増やさない活動のひとつに、TNR活動、またはさくらねこ活動があります。

TNR活動によって、何らかの事情で飼い主のいない猫に対し、不妊・去勢手術をすることで、繁殖防止を行っています。


さくらねこは、不妊・去勢手術を終えた猫に印されるさくらの花びらのような耳のカタチが特徴。

TNR活動のTNRは、以下の頭文字から名づけられたものです。

【Trap(トラップ)】 捕獲すること
・猫がケガをしないように気をつける。
・連絡先、目的など書いた張り紙をつける。
・捕獲機を仕掛けている間、その場所から離れない。
・猫が捕獲機に入ると速やかに布で捕獲機全体を包み込んで猫を安心させる。

【Neuter(ニューター)】 不妊手術のこと
・不妊手術済みの目印として、猫の耳先をvカットします。
・全身麻酔がかけられているので、猫は痛くありません。
・出血もほとんどないです。

【Return(リターン)】 猫を元の場所に戻す
・猫ボランティアさんは術後経過観測をすること
・餌は置き餌をせず、猫が食べ終わるのを待ち、あとかたづけと掃除をすること。
・捕獲もれの猫は速やかに捕獲してTNRを行う事。

引用:公益財団法人どうぶつ基金

こうした活動を通して、飼い主の事情があって飼えなくなってしまった野良猫は地域で見守られる“さくらねこ”として一代限りの命で地域の猫として全うします。

そのほかに、保護猫団体(シェルター)や保護猫カフェなどで引き取られ暮らす場合もあります。

 

保護猫シェルターについて

保護猫シェルターについて

保護猫カフェはご存じの方でも、保護猫シェルターについて詳しくない方もいるかもしれませんね。

保護猫団体が運営する保護猫シェルターは、さくらねこを保護して病気のチェックや予防接種などをし、たくさんの猫を管理している保護施設です。

営利目的ではないので、基本ボランティアの方たちと寄付で成り立っています。

施設の大きさはまちまちですが、筆者が以前訪問させていただいた、静岡県清水市にある「Animal 3rd eyes」さんでは240匹近くの猫を保護しています。


公開型の保護猫シェルターであれば、たくさんの猫と出会えるので、里親になってみたいと思うなら、一度訪れてみるのも良いかもしれません。

また、家庭の事情やマンションなどの事情で里親になることは難しくても、保護猫活動に支援をしたいという方は直接支援物資を寄付することも可能。

興味がある方は公式HPなどで確認してみるといいでしょう。

保護猫の譲渡会をチェック

保護猫の譲渡会をチェック

保護猫の里親になるためには、保護シェルターや保護猫カフェなどの施設で「お見合い」をする他に、地域のイベントとして行われる出張保護猫譲渡会などがあります。

SNSやWebで「保護猫譲渡会」と検索すると、お住まいの地域のイベントを確認できます。週末に開催されることが多いので、興味があったら一度情報を確認して、参加してみるのも手です。

譲渡会によってルールはまちまちではありますが、ペットショップ等のように可愛いから、気に入ったからといってすぐに家族に迎え入れできません。多くの場合はいくつかの条件を満たすことや審査などがあり、時間をかけて里親になることが一般的です。

▼一般的な里親になるための条件
・室内で飼育ができる
・ペット可の物件に住んでいる
・里親になることを家族全員が同意している
・最後まで命の責任を持てるか
・飼い主の負担でかかりつけの動物病院を見つけ治療や予防接種などを行えるなど

このほかにも動物飼育の経験や身分証の提示などが必要な場合があります。

保護猫がなつかない

里親として保護猫を迎え入れても、猫がなつかないということで苦労される方も多いようです。

その大きな原因は、猫の心理状態によるものです。

保護猫になってしまった原因を考えると、元の飼い主が何らかの事情で飼えなくなったり、虐待を受けていた可能性、生まれたときから野生など、人間への不信感や恐怖など複雑な気持ちを持っています。

また、環境の変化というのも猫にとっては大きな不安とストレスを与えているかもしれません。

どちらにせよ、家族として迎え入れたなら「焦らないこと」が大事です。

猫の不安を取り除きながら、少しずつ距離を近づけていき、安心できる環境だというのを理解してもらうしかありません。

何事も一歩ずつ前に進む気持ちで、優しく接してあげましょう。里親になるということは、大変なことはもちろん多いですが、猫にかける情熱は愛おしい時間となり、それ以上の幸福を与えてくれることでしょう。

野良猫を保護猫にする意義とは

野良猫の寿命は平均5年と非常に短いと言われています。その最初から短い命に対し、殺処分となる前に、私たちに出来ることがあるはずです。

殺処分されてしまいそうな猫や虐待を受けている猫を救うために、私たちが自分にできることを小さなことからコツコツと続けることが重要です。

これまでお伝えしてきた活動や行いで、可愛らしくも尊い猫たちを「殺処分ゼロ」という目標に、一歩ずつ近づけられるのではないでしょうか。

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